「リウマチの薬を飲んでるのに痛い…」と諦めないで!手首の長引く痛みの裏に隠れた「本当の原因」を当院が一緒に見つけます

「リウマチの薬を飲んでるのに痛い…」と諦めないで!手首の長引く痛みの裏に隠れた「本当の原因」を当院が一緒に見つけます

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リウマチの治療中なのに、手首の痛みが引かない…そんなお悩みはありませんか?

「病院でリウマチと診断され、MTX(メトトレキサート)などの大切なお薬もきちんと飲んでいる。それなのに、どうしてこの手首の痛みだけは治らないんだろう…」

こんな風に、不安と痛みに耐えながら日々を過ごしていらっしゃる方は、実は少なくありません。朝の指のこわばりや、夜中のズキズキとした痛みで目が覚めてしまう。好きな趣味や家事が思い通りにできないのは本当につらいですよね。

リウマチの治療は進歩していますが、**すべての痛み**が関節の炎症によるものとは限らないんです。当院では、「リウマチだから仕方ない」と諦める前に、痛みの裏に隠れた**別の原因**を探ることを大切にしています。今回は、6ヶ月も長引く手首の痛みで悩んでいた患者様の、笑顔を取り戻すまでのお話をご紹介します。

【60代女性の症例】お薬が効かず、半年間も続いた手首の痛み

今回お越しくださったのは、60代の女性です。左の手首がとても痛く、特に朝晩は指が伸びにくい状態が続いていました。何よりつらかったのは、夜中に痛みで目が覚めてしまい、ゆっくり眠れないこと。この状態がもう**半年間も**続いているとのことでした。

もちろん、リウマチ専門の先生のもとで、MTX(6mg)をはじめ、痛み止めのロキソニンやステロイドのプレドニンも服用されていました。

データは悪くないのに、なぜ痛みが続くの?

以前の血液検査データ(2017年12月)を見てみると、CRP(炎症の数値)は0.3と比較的落ち着いています。関節の破壊を示すMMP-3やリウマチ因子(RF)も、そこまで極端に高い数値ではありませんでした。

「データは落ち着いているのに、こんなにも痛いのはなぜだろう?」

私たちは、この炎症の数値と、患者様の「うつ状態になるほど痛い」というつらさの**ギャップ**に注目しました。もしすべての痛みがリウマチの炎症から来ているなら、お薬が効いて数値が下がれば、痛みも引くはずだからです。

「リウマチ」という枠を超えて、痛みの本当の犯人を探す

手首を動かしてもらうと、リウマチ特有の関節の激しい腫れや、動きの制限はそれほど見られません。痛い場所も、リウマチによくある小さな関節とは少しずれていました。

私たちは、単に「リウマチだから」と決めつけず、患者様ご自身の**過去の経験や体の歴史**に耳を傾けることにしました。

綿密な問診で判明した「隠れた原因」

詳しくお話を聞いていくうちに、数年前に**くも膜下出血**を発症し、その治療のために左側の側頭部を開頭する手術を受けていたことが分かりました。手術自体は無事に成功しましたが、それ以降、手術した側の**左肩のこりや頭痛**が頻繁に起きるようになっていたそうです。

「なるほど、これが原因だったんだ!」と私たちは確信しました。

痛みのメカニズムは「首の緊張」と「神経の圧迫」

私たち鍼灸師は、体全体を一つのネットワークとして捉えます。東洋医学の考え方では、手首の痛み(局所)だけでなく、過去の手術(背景)や、それによる首や肩の緊張(全体)も含めて診ていきます。

この方の場合、原因はリウマチの炎症ではなく、**過去の手術がきっかけで起きた、首周りの筋肉の慢性的な緊張**でした。緊張した首や肩の筋肉が、手へ向かう大切な神経の通り道を圧迫(絞扼)してしまい、その結果、手首や手に痛みを引き起こしていたのです。例えるなら、**水道のホースが途中で踏まれている状態**です。

関節の炎症を抑えるMTXというお薬は、この**「神経の圧迫」**という構造的な問題には、残念ながら力を発揮しにくいのです。

西洋医学の力を借りて、鍼灸で根本から改善する

半年間も痛みに苦しんでいたため、まずは強すぎる痛みを落ち着かせる必要がありました。そこで、主治医の先生にご相談し、一時的に手首へ**ステロイド注射**を打ってもらい、痛みの波を穏やかにしました。

注射の効果を長持ちさせる鍼灸の役割

ステロイド注射の効果は3日程度で切れてしまいます。その効果が切れるタイミングを逃さず、**根本原因である首の緊張を緩める**ための鍼治療を開始しました。

  • 治療のポイント:手首ではなく、神経の根本である**首の筋肉(特に凝り固まっている場所)**に丁寧に鍼を打ちました。
  • 目的:緊張を緩め、神経の圧迫を解放し、注射で一時的に得られた痛みのない状態を**持続させる**こと。

この治療を続けた結果、なんとわずか3回の鍼治療で、手首の痛みはうそのように消えました。夜もぐっすり眠れるようになり、表情にも温かい笑顔が戻ってきました。

「薬を飲んでいるのに痛い」と悩んでいたこの手首の痛みは、実はリウマチではなく、首からくる**神経の圧迫**が正体だったのです。

まとめ:諦める前に、別の視点から痛みを捉えてみませんか?

もし、あなたもリウマチの治療を頑張っているのに、手首の痛みがしつこく残っているようでしたら、関節の炎症だけでなく、以下のような**他の原因**が隠れていないか考えてみましょう。

  • 過去の大きなケガや手術、病気の後遺症
  • 日々の姿勢の悪さからくる首や肩の慢性的なコリ
  • 手首の使いすぎや加齢による腱鞘炎、手根管症候群などの併発

当院の鍼灸治療は、リウマチのお薬の邪魔をすることなく、**一緒に痛みを和らげる**ことができます。お薬では届きにくい「筋肉の緊張」や「神経の圧迫」といった問題にアプローチし、あなたの生活の質(QOL)向上をサポートします。

【お願い】大切なお薬についてのご注意

現在服用されているMTXやステロイドなどのお薬を、ご自身の判断でやめたり、量を変更したりすることは絶対にしないでください。

当院の鍼灸治療は、リウマチの専門医の先生の治療を尊重し、連携を取りながら、痛みの改善を目指して進めていきます。まずは、お気軽にご相談くださいね。

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

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