【症例報告】リウマチと胃腸不調への鍼灸治療でMTX(メトトレキサート)を卒業できた女性のケース

ご相談内容

60代女性。
10年以上前に胆のうと脾臓を全摘、膵臓の一部も切除しており、体の解毒機能・消化機能の低下を常に感じていた。特に疲労が溜まると胃痛が頻発。
また、関節リウマチの診断を受け、MTX(メトトレキサート)を服用中だったが、体質に合っていないのではという不安を感じていた。

さらに、首こり・肩こり、バネ指(弾発指)の症状もあり、日常生活に支障をきたしていた。

鍼灸治療の目的とアプローチ

  • 自律神経のバランスを整える鍼治療により、内臓の働きを活性化し、胃腸機能の回復と解毒機能の向上を目指す。
  • リウマチに対しては、鍼灸と薬の併用で炎症を抑え、最終的にMTXを使わなくても良い体づくりを目標とする。
  • 同時に、首・肩のこりやバネ指に対する局所治療も並行して実施。

経過と結果

  • 鍼灸治療を開始して約1年で、リウマチによる関節痛はほぼ消失
  • 主治医の判断により、MTXの服用を中止して経過観察となる。
  • その後、6年間リウマチの再発なし
  • 現在もご本人の希望により、週1回の鍼治療で体調管理と健康維持を継続中

考察

この方のように、消化器系に手術歴があり体調が不安定な方には、自律神経系の鍼灸刺激によって内臓機能を整えることが極めて有効です。
また、鍼灸による炎症抑制作用体質改善によってリウマチの寛解状態を維持できるケースも存在します。
バネ指や首肩こりといった整形外科的症状も並行して改善されたことで、全身のバランスが整い、薬に頼らない生活へと移行できたことは非常に意義深いと考えます。

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

目次