リウマチ因子が陽性でも発症せず|大阪・吹田(江坂)の鍼灸症例
50代・女性/大阪府吹田市。2013年11月に来院。2011年に関節リウマチの診断を受け、リウマチ因子(RF)は陽性だったものの、炎症反応は正常値のため薬は開始せず経過観察。手指のこわばりや痛みがときどき出るため、病院治療を尊重しつつ生活の質(QOL)を支える鍼灸を選択。5年の経過で発症なし、関節の腫れ・破壊や数値悪化もなし、薬を使わずに日常生活を維持できた症例です。
患者プロフィール
属性 | 50代・女性 |
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居住地 | 大阪府吹田市(江坂) |
初診 | 2013年11月 |
既往・経過観察 | 2011年にRA診断(RF陽性)。炎症反応は正常で薬は開始せず。 |
来院のきっかけ・主訴
- 朝の手指のこわばり、ときどき出る関節痛
- 日常動作時の負担感(家事・仕事)
- 既往の鍼灸院では刺激不足・方針不一致で継続困難
検査データ・所見(要点)
- RF(リウマチ因子):陽性
- 炎症反応(CRPなど):正常範囲
- 身体所見:関節のこわばり、全身の筋緊張が強い
鍼灸の方針・施術内容
「薬を増やさず痛みとこわばりを抑えたい」という希望に合わせ、以下の方針で実施。
- 関節の強張りに関係する筋・靱帯のポイントへ鍼(動きを維持)
- 全身の筋緊張の緩和、自律神経と胃腸の調整
- 頻度:初期は週1〜2回 → 安定後は10日に1回へ
- セルフケア:軽いストレッチ、睡眠・生活習慣の整備
- 主な経穴例:肩井、腎兪、脾兪
経過(時系列)
期間 | 変化・所見 |
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初診〜1か月 | こわばりが軽減、痛みの頻度が減少 |
3か月 | 全身の筋緊張が緩み、関節の動きが改善 |
6か月 | 日常動作が楽に、睡眠の質も上向き |
1年以降 | 関節の腫れ・破壊なし、炎症悪化なし。維持プランを継続 |
〜5年 | 発症なし・薬不使用を継続 |
結果・変化(要点)
- こわばり・痛みの頻度と強さが持続的に低下
- 家事・仕事など日常動作の負担が軽減
- 発症なし、関節破壊・数値悪化なし(薬は使用せず)
考察(痛みの最新知見)
本症例では、血流の改善・筋緊張の緩和・自律神経の安定化が、痛みの感じやすさ(中枢感作)の軽減や痛み閾値の回復に寄与した可能性があります。西洋医学の治療を尊重しつつ、生活の質(QOL)を支える補完療法としての鍼灸が有効に働いたと考えています。
同様の方へ
「RF陽性だが発症していない」「薬の副作用が心配で、まずは生活を整えたい」といった方は、医師の診断・定期検査と併用しつつ、鍼灸で体調を整える選択肢もあります。状態を確認しながら、無理のない計画をご提案します。
※ 本記事は一症例の記録であり、効果・改善には個人差があります。鍼灸は医療を補完する立場であり、医師の診断・治療を代替するものではありません。
鍼灸歴30年以上/延べ3万人以上を施術。病院勤務経験。慢性痛・リウマチ・線維筋痛症などに取り組み、最新の痛み科学と東洋医学を統合したアプローチを行っています。