関節リウマチと更年期障害、突発性難聴の発病の症例

目次

患者

40代 女性

来院理由と症状

20XX年3月にインフルエンザ発病後、手首に痛みを感じるようになり、痛みが強くなる一方なため、整形外科のリウマチ科を受診。

同年、4月にリウマチと診断される。


膠原病のシェーグレンも発病。

手首の腫れと痛み。左肩の前面が痛く手を上げることができない。

来院時の数値 CCP抗体 145  CRP 0,27

MTX8ミリ服用

鍼治療と経過

更年期症状が少しでており、女性ホルモンの低下による関節痛とリウマチの症状が同時に出ていると思われる。

肩関節痛は五十肩のような症状なため、パルス鍼通電治療を行い肩関節を構成している筋肉、靱帯を緩める。

手関節は、伸筋群を緩め手関節、手指関節の動き維持を目的とした鍼治療を行う。

鍼治療1か月後には肩関節の痛みは軽減し、4か月後には、痛みは完全に取れ動きも正常になる。

両膝関節、腰痛、突発性難聴、めまいも同時に鍼治療を行う。

考察

閉経前後にリウマチを発病される方は多い。


リウマチ膠原病内科の医師に、「更年期とリウマチは関係しますか?」と尋ねても、婦人科で聞いてくれと言われることが多い。

女性ホルモンの低下は、リウマチ発病に何らかの原因があると考えている。

リウマチの関節痛と更年期の関節痛では鍼治療のやり方が異なるため、分けて治療を行う必要がある。

現在はリウマチの痛みや腫れはなく、MTXは6ミリになり減薬中。

突発性難聴を発病したが薬と鍼治療の併用で、症状は改善した。

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

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