MTX8錠、ステロイド、生物学的製剤が効かず歩行困難の女性

・患者

30代 女性

・来院

2016年 10月

 

・症状と来院理由

2016年6月にリウマチと診断される。
MTX(メトトレキサート商品名:リウマトレックス)を16ミリ(8錠)
プレドニンを8ミリ、生物学的製剤(ヒミュラ)を使用するが、
リウマチの症状はよくならず悪くなるばかり。

同年8月には、痛みで歩くのもしんどい状態になり、
痛みが強い日は、起きていることも辛く、
1日のほどんどを寝て過ごす日もあり。

家の掃除、買い物、子供の幼稚園の送り迎えは、
自分の母親に頼ることが多くなっている状態。

初診時の血液検査の結果は、RF 205 CRP 2,17  MMP-3  275,3

・治療と経過

医師からは関節は動かしてはいけないと、指導を受けていたが、
現在では、関節は動かした方がよいという考えが一般的なため、
関節運動を教え、自分でできる関節運動や簡単な体操を教える。

2ヶ月間、週に1回の治療で歩行が楽になり、
買い物や子供の幼稚園の送り迎えなどができるほどに回復。
関節の腫れも膝が少し残る程度に。

その後は、病院を転院し治療方針が大きく変わり、
6ヶ月後には、仕事を少しづつはじめる。

 

・同時に治療した症状

腰痛

 

・使用した主なツボ

上四トク、血海、足三里

 

・考察

最初の医師から「関節を動かしてはいけない」「膝の水も抜くな」という
間違った指導(古い指導)により関節の強張りが起き、筋肉も使わないため、
全身の新陳代謝と胃腸の消化吸収機能が低下し
すべての薬が効かない状態になったと考えられる。

当院の鍼治療により体の機能が改善し薬が効く体の状態、
自律神経の安定化し胃腸の消化吸収機能が改善した。

強ばり固くなった関節周りの筋肉を鍼治療で緩めたため、
関節の動きも改善し歩行も楽になった。

変更した病院の医師からは、高い数値とひどい腫れにもかかわらず、
この程度の状態で済んだのは、鍼治療をしていたからだと言われた。

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

目次