線維筋痛症とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説

「ずっと体が痛いのに、検査をしても異常が見つからない」
「どの病院に行っても原因がわからない」

こんな悩みを抱えている方は、もしかすると線維筋痛症かもしれません。

線維筋痛症は、全身に慢性的な痛みが続く病気です。しかし、外見上の異常がないため、周囲に理解されにくく、精神的にも大きな負担がかかります。

本記事では、線維筋痛症の原因・症状・治療法をわかりやすく解説します。

目次

線維筋痛症とは?どんな病気なのか

線維筋痛症は、体の広範囲にわたる痛みや倦怠感、不眠などの症状が慢性的に続く病気です。

原因はまだ完全には解明されていませんが、脳や神経の異常が関係している可能性が指摘されています。また、ストレスや自律神経の乱れが発症の引き金になることもあります。

線維筋痛症の特徴

痛みが長期間続く
検査では異常が見つからない
女性に多く、中高年層に多発

この病気は、見た目には問題がないため、「気のせい」「ストレスのせい」と片付けられやすいのも特徴です。

線維筋痛症の主な症状

線維筋痛症には、いくつかの代表的な症状があります。

① 全身に広がる痛み

線維筋痛症の最大の特徴は、体のさまざまな場所に慢性的な痛みが現れることです。

  • 触れるだけで痛い
  • 体のあちこちがズキズキする
  • 天気の変化で痛みが悪化する

通常のケガや炎症とは違い、特定の部位だけでなく、全身に痛みが広がるのがポイントです。

② 慢性的な疲れや睡眠障害

線維筋痛症の患者は、常に疲労感を感じることが多いです。

  • 夜にぐっすり眠れない
  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中も強い倦怠感がある

これは、痛みが脳にストレスを与え、睡眠の質を低下させてしまうためと考えられています。

③ 気分の落ち込みや不安感

長期間続く痛みは、心にも大きな負担を与えます。

  • 気分が落ち込みやすい
  • 不安感が強くなる
  • うつ状態になることもある

「痛みをわかってもらえない」という孤独感が、精神的ストレスを増やしてしまうのも、この病気の厄介な点です。

なぜ痛みが続くのか?線維筋痛症の原因

線維筋痛症の痛みは、ケガや炎症が原因ではありません。では、なぜ痛みが続くのでしょうか?

最新の研究では、「脳の痛みをコントロールする機能」に異常が起きている可能性が指摘されています。

  • 本来なら痛みが治まるはずの状態でも、脳が痛みの信号を出し続けてしまう
  • ストレスや過去のトラウマが、痛みを増幅させる要因になる

また、几帳面で責任感が強い人や、ストレスを抱えやすい人は、発症しやすい傾向があるとも言われています。

線維筋痛症の治療法

「治らないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、治療によって症状を軽くすることは可能です。

① 薬を使った治療

痛みや不眠を和らげるために、以下の薬が使われることがあります。

  • 抗うつ薬(脳の神経バランスを整える)
  • 神経の働きを調整する薬(痛みの信号を抑える)
  • 睡眠導入剤(睡眠の質を改善する)

ただし、薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善も大切です。

② 生活習慣の改善で症状を軽減

適度な運動(ウォーキングやストレッチ)
規則正しい睡眠
バランスの良い食事

特に、軽い運動をすると血流が良くなり、痛みの緩和につながることがあります。

③ ストレスケアの重要性

ストレスが痛みを悪化させるため、リラックスする時間を作ることが大切です。

  • 瞑想や深呼吸を取り入れる
  • カウンセリングを受ける
  • アロマテラピーでリラックス

ストレスを軽減することで、痛みの感じ方を和らげることができます。

線維筋痛症患者の苦しみ「理解されない痛み」

線維筋痛症の最もつらい点は、**「周囲に理解してもらえないこと」**です。

  • 病院で「異常なし」と言われる
  • 「気のせい」「ストレスのせい」と言われる
  • 周囲に「怠けている」と誤解される

しかし、本人にとっては確かに痛みが存在するのです。

周りの人が「無理しないでね」「つらかったね」と言葉をかけるだけで、患者は救われることもあります。

まとめ:線維筋痛症とどう向き合うか

線維筋痛症は、心と体が密接に関係している病気です。

症状を和らげるためには、「薬」「生活習慣」「ストレスケア」**の3つのバランスが重要になります。

もしあなたや身近な人が「原因不明の痛み」に悩んでいたら、「線維筋痛症」という病気があることを知ることが大切です。

「痛みは我慢するもの」と思わずに、自分に合った治療法を見つけながら、少しずつ前に進んでいきましょう。

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この記事を書いた人

学生時代から京都、大阪の鍼灸整骨院にて4年間修行。
医療法人孝至会みのりクリニック内の東洋医学・リハビリ科にて10年間勤務。医師と協力して延べ3万人に鍼灸施術を行う。
主任を経て大阪府江坂駅前にて鍼灸治療院を開院。

【資格】
・国家資格 (はり師・きゅう師)
・「機能再生士」認定
・日本メンタルヘルス協会
認定基礎心理カウンセラー取得
・日本メンタルヘルス協会
公認心理カウンセラー資格取得

【所属団体】
・一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会 会員

【講演活動】

2015年 関西医療大学にて『「関節リウマチに対する鍼灸治療~メカニズムとエビデンス』講演 
(東京大学医学付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷先生と合同)
2015年 明治東洋医学院にて『薬を否定せずに行うリウマチ鍼灸』講演
2017年 平成医療学園にて現場力ステップセミナー主催 『関節リウマチ臨床鍼灸』講演
2017年 (一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)にて『リウマチについて』講義2021年大阪医療技術学園 痛みの鍼灸 授業・実技を担当

2014年~ 一般向け講座『痛み・リウマチ克服セミナー』主催

【掲載】
2015年 医道の日本誌 専門鍼灸記事 掲載
2015年 明治東洋医学院 入学パンフレット 活躍するOB 取材
2016年 医道の日本誌4月号『関節リウマチ鍼灸』論文掲載

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