ドラマでも話題の「線維筋痛症」とは?──“見えない痛み”に寄り添うために知っておきたいこと
TBSのドラマ『19番目のカルテ』で「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」が取り上げられ、
多くの視聴者が“原因不明の痛み”について考えるきっかけになったようです。
主人公の女性は、検査では異常が出ないのに、全身の痛みに悩まされ続けていました。
どこへ行っても「異常なし」と言われ、
時には「気のせいでは?」「ストレスでしょう」と言われてしまう。

しかし、ある医師が丁寧に話を聴き、
「あなたの痛みは本物です」 と伝える――。
このシーンに胸をつかれた方も多いのではないでしょうか。
■ 線維筋痛症とは?|検査では見えない“全身の痛み”
線維筋痛症は、検査では異常が出にくいにもかかわらず、
- 全身の痛み
- 筋肉のこわばり
- だるさ
- 不眠
- 気分の落ち込み
などが続く慢性痛のひとつです。
日本では推定200万人以上が悩んでいると言われ、
特に40〜60代の女性に多くみられます。
大きな特徴は、
「脳・神経の痛みの処理が敏感になる(中枢感作)」
という仕組みが関わっている点です。
この状態では、実際以上に痛み信号が増幅され、
「触れるだけで痛い」「全身が常に痛む」と感じることがあります。
■ 「気のせい」ではなく、「神経の過敏さ」
線維筋痛症は、ストレス・過労・外傷・生活環境の変化など、さまざまな要因がきっかけとなって起こることがあります。
最初は、
- 肩こり
- 腰痛
- 疲れやすさ
といった“よくある不調”として始まることも少なくありません。
しかし、神経の過敏さが続くと痛みが広がり、
- 「全身が痛む」
- 「何をしても治らない」
- 「外に出るのもつらい」
という状態に発展することがあります。
これは決して「気のせい」ではなく、
神経系が痛みを記憶しやすくなる生理的な反応と考えられています。
■ 鍼灸はどこに役立つの?|心身を整えるアプローチ
線維筋痛症の痛みは「体の状態」「心の状態」「生活環境」が複雑に関わり合うため、
複数の視点からのアプローチが有用とされています。
鍼灸は、身体への刺激を通して次のような反応が期待されることが研究で示されています。

- 筋肉の緊張をゆるめ、血流を改善する
- 自律神経のバランスを整え、リラックスを促す
- 脳内物質(セロトニン・エンドルフィンなど)が変化し、痛みの感じ方に影響する可能性がある
- 過度な緊張や不安をやわらげ、睡眠リズムが整いやすくなる
※いずれも「効果を断定するもの」ではなく、「一般的に報告されている反応」を紹介しています。
※治療内容の決定は必ず医療機関と相談してください。
線維筋痛症のように原因が一つではない痛みには、
体全体の調整を重視するアプローチ が合う場合もあります。
■ 「痛みをわかってもらえること」が大きな力になる
ドラマの中で、患者さんが
「あなたの痛みは本物です」
という言葉に涙する場面があります。
実際の臨床でも、同じような光景は少なくありません。
- わかってもらえない
- 説明しても伝わらない
- 正体がわからない痛みが続いて不安
そんな状態が続くと、心の疲れも大きくなります。
だからこそ、
“話を聴いてもらえる” こと自体が治療の第一歩になる
ことがあります。
鍼灸院では、施術だけでなく、
患者さんの話に耳を傾け、体の声をいっしょに読み取っていく時間を大切にしています。
■ もし、あなたが「原因不明の痛み」で悩んでいるなら…
- 検査では異常がないと言われる
- 全身の痛みが続き日常生活がつらい
- 薬だけでは改善が難しい
- 周囲に理解されず孤独に感じる
そんな思いを抱えている方は少なくありません。
鍼灸は、
原因が複雑に重なった不調に対して、心身のバランスを整えるサポートができる医療のひとつ です。
東洋医学の視点と、
現代の痛みの科学(神経生理学)を組み合わせたアプローチは、
痛みとうまく付き合うきっかけになることがあります。
■ 最後に|“見えない痛み”にこそ寄り添いたい
線維筋痛症は、周囲に理解されにくい“見えない痛み”が特徴です。
だからこそ、痛みを否定せず、丁寧に向き合っていくことが大切です。
あなたの痛みは、決して「気のせい」ではありません。
そして、「性格」でも「弱さ」でもありません。
鍼灸には、
こころとからだの緊張をやわらげ、回復のスイッチを押すような役割を果たせる場合があります。
痛みで悩むあなたが、少しでも前向きになれる日が来ることを願っています。
必要なときは、いつでもご相談ください。
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